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入居希望者が多い「特別養護老人ホーム」に入るには?

  • 執筆者の写真: 茂 鈴木
    茂 鈴木
  • 2021年2月7日
  • 読了時間: 4分

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 社会福祉法人や自治体等が運営する介護保険施設である特別養護老人ホーム(特養)は、有料老人ホーム等に比べ、入居一時金がなく、安価に利用でき、最期まで暮らせることから人気の施設です。 入居希望者が多く、待機者は36万人以上います。特養に入るための情報をお伝えします。


特養の特徴  特養は、全面的な介護(原則要介護3以上)が必要な方が最後まで暮らせる介護保険施設です。みとりまで対応可能です。寝たきりや重い認知症などで、自宅での介護が難しい高齢者が暮らしています。


部屋は、多床室、従来型個室が多いですが、近年は、ユニット型が増えています。自宅で受けられる「居宅サービス」と異なり、特養では介護サービスを定額の費用で24時間職員から受けることができますサービスは、食事、入浴、排せつなどの介護と掃除、洗濯、買い物などの生活援助が中心です。レクリエーションや年中行事なども行われます。


 一方、医療施設ではないので、医療的ケアは限定的です。経管栄養など医療的処置が常に必要な人は入所が難しいでしょう。 費用は、有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)のように高額ではありません。入居一時金もありません。月額の目安は総額8万~16万円程度です。所得が低い人には食費、居住費の軽減制度があります。 人気の施設なので入所希望者が多く、待機者も多いため、入居まで数年待ちというケースもあります。

要介護1、2も入所できる

 特養に入るには、原則65歳以上で要介護3以上ですが、要介護1、2の方については、やむを得ない事情により、特養以外での生活が著しく困難と認められる場合に限り入所が認められます(特例入所)。 特例入所の具体的な要件は次のとおりです。 1.知的障害・精神障害等を伴って、地域での安定した生活を続けることが困難 2.認知症高齢者であり、常時の適切な見守り・介護が必要 3.家族等による虐待が深刻であり、心身の安全・安心の確保が困難 4.独居や老老介護などで介護できる家族が近くになく、かつ地域での介護サービスや生活支援の供給が不足している


食費・居住費の軽減制度(補足給付)  特養での食費、居住費は全額自己負担が原則ですが、所得の低い人には「利用者負担段階」に応じた負担限度額が設けられています。軽減の対象は、世帯全員が住民税非課税で、前年の所得内容で第1~第3段階に応じて利用者負担が定められています。 ただし、所得の低い人であっても、一定以上の預貯金などの資産がある場合(単身で1000万円超、夫婦で2000万円超)は、補足給付の対象外です。施設入所に際して世帯分離が行われることが多いですが、配偶者の所得は、世帯分離後も勘案され、配偶者が課税されている場合も対象外です。 補足給付の支給段階の判定に当たり、非課税年金(遺族年金・障害年金)も勘案されます。補足給付を受けるには、市区町村に申請し、「負担限度額認定」を受ける必要があります。


特養に入るには  特養に入るには要介護認定を受けておく必要があります。すでに要介護認定を受けていて、介護サービスを受けている場合は担当のケアマネジャーに相談すると良いでしょう。地域包括支援センターでも相談に乗ってもらえます。 申し込み自体はケアマネジャーを通す必要はなく、特養へ直接申し込みます。元気なうちに施設見学をして、デイサービスやショートステイなどを利用して候補を絞っておくと良いでしょう。


 要介護1以上であれば申込可能です。入所の優先順位は申込順ではなく、本人の状況や緊急性等によって判断されます。第1希望の特養には、施設に自分自身についてよく知ってもらうとスムーズな入所につながることがあります。 待機者36万人、入所までに数年と言われていますが、1人で複数の特養に申し込んでいる方もいるので、意外に早く順番が回ってくることもあります。 待機者が多いと諦めずに申し込んでおくことが大切です。また、第1希望の施設とは、なじみの関係を築いておくと良いでしょう。 執筆者:新美昌也 ファイナンシャル・プランナー。

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